今回は
登場人物紹介
リハビリ病院に務める理学療法士
筋肉大好きボディビルダー。昼間は硬い仕事?
本編始まり
前回は疾患別にリハビリ入院の期間な決められていることなどを見てきましたね。
ああ、原因となる病気ごとに入院できる期間が決められているって話だな。
そう、それは医療保険制度によって厳しいルールの上で行われているって話しましたよね。
それで治ってないうちに退院させられる人もいるって話だったな。
そうそう、色々問題があるんですよ。
それを話すにはリハビリの時間的経過について話しておかないといけないですね。
まず、リハビリは原因となる病気の発症からの期間によって、3つのフェーズに分けられています。
それが、発症直後の『急性期』、発症から数ヶ月までの『回復期』、それ以降の『維持期』です。
急性期:発症直後
回復期:容態の安定から数カ月間(入院していられる期間)
維持期:退院後
ふ~ん。こりゃなんで分けられてるんだ?
患者が必要とする環境の違いが一番大きいですね。
例えば急性期は基本的に急性期の病院において命の危険を回避する治療を最優先に受けなければならないですね。そんな環境や病状でできることは限られますよね。
それに急患をたくさん抱える病院が念入りなリハビリまで行うのは大変ですよね。
なるほどな。じゃあ、急性期のリハビリってのはほとんどやれないんだな。
一昔前まではそうでした。でも、研究が進んでできるだけ早くリハビリを始めたほうが、機能の回復が圧倒的に早いことが証明されているんです。
だから、発症直後から治療をしながらベッドの上でリハビリを始めるのが主流となっています。
なるほどな。うちの婆ちゃんが 腰の手術を受けた次の日からリハビリをさせられて、大変だったって言ってたのはそういう理由なのか
そうですね。術後安定していればすぐにリハビリを始めるところがほとんどです。急性期リハビリの目的は『早期に離床し、本格的なリハビリを行うため』と言えますね。
なるほどね。急性期のリハビリには期間の制限とかないの?
はい、ただ病気の治療が終わって安定期に入ったらできるだけ早く回復期のリハビリに入ります。回復期リハビリ病棟があれば病院内の移動で済む場合もありますが、基本的に専門性の高い回復期リハビリ病院に転院することが多いです。
KCがいる回復期リハビリ病院は急性期のリハビリもやってるの?
うちは脳神経疾患のリハビリを専門にやっているから急性期はやってないです。急性期の患者を預かるってことは急性期の医療システムや人材も必要ですからね。近年では急性期と回復期で病院も専門化している傾向にあります。
専門化ねぇ。
そうです。回復期リハビリの目的は在宅へ復帰するため機能回復です。最も身体機能に回復が見られる時期ですから、ここでおリハビリが後々の人生を変えると言ってもいいくらいです。
だから入院して集中的にリハビリを行うんだな。
そうです。で、最後に維持期のリハビリです。これは家や介護施設に帰った後に行うリハビリです。
退院させられたあとのリハビリだな。
そうですね。回復期に集中的にリハビリを受けたからと言って、病気の発症前まで戻る患者はほとんどいません。ですから、家に帰ってからもリハビリは必要になります。高齢であれば、何もしなければどんどん悪化していくこともありますからね。
それに麻痺が残った人なんかは家に帰ってからが本番だよな。
そう、人によってはまだまだ社会復帰を目指したり、人生を取り戻すために何ができるか。これらも維持期のリハビリの役割と言えますね。
ざっと話を聞いてきたけど、日本のリハビリのシステムはしっかり出来てる印象だな。
いえ、そうとも言えないんですよ。
え、怖いこというな、どういうこと?
いずれにしろ医療費の増大が絡んでくるんですが、リハビリに関しては様々な問題を抱えていると思っています。そのへんを次回からお話しましょうか。
ひぇ~、よろちく~。