登場人物紹介
リハビリ病院に務める理学療法士
筋肉大好きボディビルダー。昼間は硬い仕事?
介護事業所の社長。 猫
本編始まり
回復期のリハビリが自宅に戻って生活することを可能にすることを目標としてるんだよね。
そう、リハビリは3段階に分けられていて、急性期はリハビリへの下地作り、回復期は自宅に戻ること、維持期は生活力を高めてこれまでの生活を取り戻すことを目標としているんだったね。
しかし、生活力って言われてもいまいちピンと来ないなぁ。一体生活力ってどんなことを言ってるんだ?ベンチプレスをなんkg持ち上げる力とかわかりやすいものじゃないよな。
そうだにゃ。一般的に人は生きながらに生活をしているわけでそれぞれの活動をあまり意識しているわけじゃないにゃ。
人がどんな活動をして生活を行っているか、その生活力がどれほどのものかを知るためにADLについて知っておいたほうがいいにゃ。
ADLは医療、介護の基本的考え方ですよね。
社長お願いします!!
教えてくださ~い!
ADLは生活動作と言ってActivities of Dayl Livingの略なんだにゃ。
人間が生きていくために使う基本的な動作の総称だにゃ。基本的に『起居・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容』動作の総称なんだにゃ。
う~ん、何個かよくわからない言葉があったなぁ。
少し難しい言葉だけど、僕らが普段からやっている行為ばかりなんですよ。
ちょっとわかりにくい言葉だけ説明するにゃ。
移乗って言うのはベッドから椅子に移ったり車に乗り込んだりすることにゃ。
整容ていうのは髭剃りや髪の毛の手入れなど身だしなみを整えることを言うんだにゃ。
なるほど、俺もやっていることばかりだな。しかし一つ足りてないぞ。
?
筋トレだ!!
高齢者にやらせんのか~い!
まあまあ。確かにスギちゃんが言った余暇活動についてはIADLって言って別に定義されているんだにゃ。
それはまた後で説明するとして、ADLは生活を定義することが目的ではないんだにゃ。
それを評価して生活力を測ることでリハビリにつなげることこそが目的なんだにゃ。
そうそう、ADLには様々な評価方法があって、中でも有名なものにバーゼルインデックスって言うものがあるです。
ADLを10項目に分けてそれぞれの動作に5点から15点満点で点数をつけて合計点数で自立度を測るというものです。
例えば、食事に関しては標準的な食べ物を自力で食べることができたら10点で刻み食などの対応が必要となると5点とかにゃ。歯磨きやひげ剃り、洗顔ができれば5点だにゃ。
なんかゲームみたいだなぁ。 体操みたいに10点満点ってか。採点が難しそうだな。
そうそう。評価基準がぶれぶれだとリハビリの効果をちゃんと測定できなくなりますから。
僕らセラビストとか介護の経験がながい介護福祉士やケアマネジャーが行うんです。
他にも何個かADLの評価方法はあるけど、バーゼルインデックスは脳卒中による麻痺の患者や高齢者まで広く使われているんだにゃ。
いずれにしろ大事なのは合計点数だけにとらわれず各項目の点数を意識することや時間の経過毎に評価を行ってリハビリ効果の推移を確認することだにゃ。
評価は評価であってそれをどう使うかが我々セラビストの腕の見せ所ってわけですね。
なんだかかっこよくまとめられちゃったなぁ・・・俺の筋トレの説明(IADL)は次回に持ち越しだな。